ここでは、トイレの使用率について記載していこうと思う。
一般的にトイレの使用率は、トイレが使われている時間/(トイレが空いている時間+トイレが使われている時間)で計算されることが多いが、実際のトイレの運用に関して言えば、これは誤りである。
実際に求めたいトイレの使用率は、トイレに行く可能性が有る時間の内、何%の割合でトイレが使われていて入れず、苦虫を噛む思いをするかである。
会社のトイレを例に挙げた場合、会社にいない時間帯は、会社のトイレに行く可能性は0である。そうなると会社にいる時間の内、どれだけトイレが閉まっているかを考えればいいと考えがちだが、これもノーである。例えば、会社のトイレで何者かが結構な臭気の何モノかをした場合、トイレに行きたくとも、しばらくは我慢する時間がある。5分間トイレが使用されていた場合、1分間は様子見の時間とされている、その後、どの程度時間を置いてトイレに行くかは、周囲の人間との探り合い、または心理戦によって決まる。周りにそわそわしている人がいたり、定期的にトイレの様子をうかがっている人がいれば、少し我慢してでも先手を取る必要があり、相手に悟られないようにポーカーフェイスをキメて、相手が立ち上がるぎりぎりで、ドアノブにタッチしてドヤ顔を決めれば、相手は戦意喪失するだろう。ここで気をつけたいのは、気をつけたいというより、気を引き締めなければいけないのは、気のゆるみと連動して、かのモノが顔を出してしまうことである。下からもドヤ顔をしてしまうことである。ここまで1対1のケースを例にしてきたが、実際の戦場は1対複数である。紛らわしい動作に反応し、苦渋の決断の末、汚染濃度が濃い状態のトイレに入ってしまい苦虫を噛むケースも稀にある。また、上手く先手を打った際には、後者への敬意、ささやかな心おきとして、便座の温度をMAXにしておく等の置き土産を心掛けたい。真夏であれば、尋常じゃない汗をかくことになるだろう。かくして心おきなくトイレを去れるというものである。感謝の気持ちを忘れてはいけない。
先述の戦術の通り、トイレの使用率を知っておくことはトイレを使う上で重要であるが、さらにトイレには競争率の激しい時間帯がある。この時間を激戦の時代とよんでいる。一般的には2つの激戦の時代がある。1つは朝である。朝、してこなかった者がトイレに駆け込み、ピーク時には使用率100%を超える事もある。次に、昼休み開けである。お昼ご飯を食べた後、心太(ところてん)方式で便意がわくことがある。このように、時間によってトイレの競争率は激しくなることがるので、実際にトイレ使用率を計算する場合には、時間ごとの使用率を出し、それを基に対策を練る必要がある。
さて、ここまではトイレ(大)が1つしかなかった場合の話であることに、お気づきであろう。トイレが1つしか無い場合、過度な競争から人間関係がギクシャクし、ちょっと立ち上がるだけ鋭い視線を感じる緊張状態に陥り、結果、結構居ずらい感じになる。そこでバックアップとしてトイレをもう一台用意することで、安心感が生まれ、結果、コミュニケーションが円滑になるというものである。
トイレを増設し、マルチタスクで同時に複数の腹痛を処理することが出来る並行処理だが、これにはいくつか欠点がある。例えば乾電池の並列と直列を想像していただければわかる通り、トイレも個室を増やす並列に対して、個室単体の性能を強化(バージョンアップ)する直列的な対処法も存在する。トイレの性能を上げることによって1回のアレの時間を短縮させることができる。
例を上げると中国のトイレは、扉が無いためにとても居心地が悪く、アレの時間が平均して短いとされている。
さて、ここまで読んでいただいた諸君なら既に気づいていると思うが、先ほど匂わせた並行処理の欠点に、個室が隣り合っていた場合の臭いの問題、気恥ずかしさや気まずさ、さらに同時にトイレを流すことによる下水道にかかる負荷(ポルターガイストの原因とされている)がある。